戸建て・一軒家に住んでみると「寒い」と後悔する方は少なくありません。なぜなら、外壁・窓・床など、外気に触れている部分が多いからです。
この記事では、これから戸建て住宅を建築する方やすでに建築し終えた方に向けて、寒さ対策をご紹介します。しっかりと戸建て・一軒家の防寒対策方法を実践して、暖かい冬を迎えましょう。
戸建て・一軒家が寒い5つの理由
冬の戸建て・一軒家が、思っていた以上に寒いと驚いている方がいるかもしれません。戸建て・一軒家が寒い理由は、主に5つ考えられます。
●窓から熱を逃してしまっている
●玄関に冷気が溜まっている
●隙間風がある
●冷たい空気が下に溜まりやすい
●マンションと比べると寒いと感じやすい
寒い理由を理解すれば、対策も立てやすいです。詳しく確認していきましょう。
窓から熱を逃してしまっている
戸建て・一軒家は外気に触れている窓から部屋の熱を逃してしまっており、室内が寒くなってしまいます。
せっかく室内を暖房器具で温めたとしても、ほとんどの熱が窓から逃げてしまうと言われています。戸建には窓が多かったり、設置している窓が大きかったりしているため、熱を逃しやすいです。
さらに、日本の窓の多くに熱伝導率のよいアルミサッシが使われており、断熱性も低いです。窓際が寒くなったり、結露が起こりやすかったりする原因はアルミサッシにもあります。
玄関に冷気が溜まっている
戸建・一軒家の玄関には冷気が溜まりやすく、家の温度を下げてしまう原因の1つです。
ドアを開け閉めすると外の冷気が入り込んでしまい、家の温度を下げてしまいます。ドアにはわずかな隙間もあるため、外の冷気が入り込むことを避けられません。
また、玄関から廊下・階段がつながっている構造や吹き抜け構造だと、2階からの冷気がおりてきます。冷気が溜まるものの、玄関には暖房器具をつけない家庭が多いため、家全体の温度を下げてしまう原因になります。
隙間風がある
年数がたった木造住宅には、ごくわずかな隙間ができ、冷たい風を家の中に入れてしまいます。隙間のできる箇所は窓や玄関などの開口部や、コンセントボックス、構成部材の間などが挙げられます。
現代では機密性の高い戸建て住居を建築していますが、それでも隙間をゼロにはできません。そのため、隙間風が侵入したり、室内の暖かい空気が外に出てしまったりして寒い思いをする羽目になります。
冷たい空気が下に溜まりやすい
空気の性質上、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まりやすいです。そのため、2階3階と比べて、1階は寒いと感じやすいです。
また、1階の床は外の空気に面しているため、床からも室内の熱が逃げていってしまいます。床から逃げる熱は、家全体から逃げていく熱の1割程度といわれています。
そのため、戸建て・一軒家では足元が冷えて寒いと感じてしまう方が多いです。
マンションと比べると寒いと感じやすい
戸建て・一軒家が寒いと感じる理由は、マンションでの暮らしに慣れているからかもしれません。戸建て・一軒家に新築で引っ越す方の多くは、もともとマンション暮らしをしています。
外気と触れる面積が少ないマンションは、戸建て・一軒家と比べて暖かいです。また、マンションと比べて部屋数が増えたり、間取りを広くしたりすると、暖房器具が稼働している場所の割合は減ります。
実際、温熱環境の満足度はマンションの方が高く、戸建住宅では低いといった結果が旭化成の調査でわかっています。
【建築前】新築の戸建て・一軒家で後悔しない寒さ対策3選
戸建て・一軒家の寒さに後悔しても、建築後にはどうにもできない場合があります。そのため、建築前にできる寒さ対策を知っておくと後悔せずに済みます。
新築の戸建て・一軒家で後悔しないためにできる寒さ対策は、以下の3つです。
●断熱材にこだわる
●窓のサッシを高機能なものにする
●間取りに気をつける
3つの寒さ対策について、詳しく確認しましょう。
断熱材にこだわる
まず、冷気が家の中に入ってこないように、断熱材の種類や使い方にこだわりましょう。完全に熱の流れを断ち切れませんが、外部からの暑さ・寒さを防いでくれます。もちろん、室内の熱を逃さない役割もあります。
たしかに高性能な断熱材をたくさん使うと、その分高いです。しかし、長期的にみると光熱費を引き下げられるため、コスト削減につながります。後悔しないためにも、あらゆる場所に断熱材を使いましょう。
窓のサッシを高機能なものにする
窓のサッシを高機能なものにしましょう。日本でよく使われているアルミ製のサッシは、熱伝導率が高くて外の冷気を家の中に取り込んでしまいます。
おすすめは、樹脂サッシです。樹脂サッシは熱伝導率が低くて断熱性が高いので、寒い土地でもよく使われています。木製サッシも寒さの面ではおすすめですが、腐食や摩耗による劣化があるため寿命は短いです。
間取りに気をつける
設計段階での間取りに気をつければ、寒さが軽減されます。
具体的には、以下のポイントに注意して寒さを防ぎましょう。
●余計な区切りを作らず空間をつなげる
●広い吹き抜けを作らない
●玄関とリビングを離す
●リビング階段にしない
●大きな窓を多く設置しない
●冬に日差しが入り込む位置に窓を配置する
以上のような工夫をするだけでも、冬に感じる暖かさは随分と異なります。これから新築を建てる予定の方は、ぜひアイディアを取り入れてください。
【建築後】戸建て・一軒家の寒さに後悔したときの対策3選
すでに戸建て・一軒家を建築し、引っ越してから寒さに後悔した方もいるかもしれません。ここからは、建築後からでもできる戸建て・一軒家の寒さ対策をご紹介します。
今からできる寒さ対策は、以下の3つです。
●断熱性能を高める
●窓の性能を高める
●浴室暖房や床暖房を導入する
1つでもよいので対策を実践して、快適に冬を過ごせる住環境づくりをしましょう。
断熱性能を高める
家全体の寒さが気になるのであれば、天井(屋根)・床・外壁などの断熱性を高めるためのリフォームを検討しましょう。築年数によっては、断熱不足だったり、無断熱だったりするため、リフォームすれば冬を快適に過ごせます。
ただし、天井(屋根)・床・外壁のすべてをリフォームすると費用も高くつきます。費用相場は、以下の通りです。
リフォーム箇所 | 断熱リフォームの費用相場 |
---|---|
天井(屋根) | 7〜25万円 |
床 | 60〜120万円 |
外壁 | 30〜150万円 |
予算を抑えたい場合は、リビングや寝室などの滞在時間の多い部屋を優先的に行いましょう。
窓の性能を高める
冷気は窓からの侵入が多いため、サッシや窓ガラスを高機能なものに変更しても効果的です。大きな窓ほど効果を感じられるでしょう。
窓の性能を高めるには、以下の2つの方法があります。
●単板ガラスを複層ガラスに変える
●サッシをアルミ製から樹脂製に変える
サッシの枠ごと交換する場合、掃き出し窓で30〜50万円、腰高窓で20〜45万円が相場です。
浴室暖房や床暖房を導入する
部屋を暖めるための暖房機能を追加して、防寒対策をしましょう。
使う時間が限られる浴室は、とても冷える場所です。タイル張りの壁・床だと断熱性はなく、家の中で最も寒い場所となるでしょう。浴室全体をリフォームするには費用面で心配ですが、浴室暖房であれば比較的低コストで導入できます。
また、家族が一緒に過ごす時間の長いリビングに床暖房を導入すると、足元の冷える戸建て住宅でも暖かく過ごせます。
それぞれの導入費用は、以下の通りです。
リフォーム箇所 | 費用相場 |
---|---|
浴室暖房 | 浴室暖房乾燥機:7〜25万円 設置工事費:5〜10万円 |
床暖房 | 5〜15万円(1畳あたり) |
ぜひ、前向きに検討しましょう。
戸建て・一軒家が寒くて後悔したらリフォームを検討しよう
戸建て・一軒家が寒くて後悔しているのであれば、室内を暖かくするためのリフォームを検討しましょう。後悔した状態のまま放置していても、光熱費が上がってしまうだけです。
リフォームには一定の費用がかかりますが、一度行えば長期的に光熱費が抑えられて経済的にやさしいです。戸建て・一軒家のどの部分が寒いかをよく確認し、リフォームを検討しましょう。
もし、リフォームに関してお困りでしたら、弊社にお気軽にご連絡ください。
Q:戸建て・一軒家が寒い理由は?
A:戸建て・一軒家が寒い理由には、窓から熱を逃してしまっている、玄関に冷気が溜まっている、隙間風がある、冷たい空気が下に溜まりやすい、マンションと比べると寒いと感じやすいの5つが挙げられます。
Q:建築前にできる戸建て・一軒家で後悔しない寒さ対策とは?
A:建築前であれば、断熱材にこだわる、窓のサッシを高機能なものにする、間取りに気をつけるの3つの寒さ対策ができます。